今年読んだ百合作品について 2021

はじめに

2021年TUTアドベントカレンダー、12/17日の記事をお届けします。 まず、自己紹介を。私は学部3年3系のSessと申します。1年次から一般入学でこの大学におります。 正直、専門的なことでは高専編入生の皆様に全く敵う気がしないので、 学術的、技術的、土着の話題は詳しい人に譲るとして、私は「今年読んだ百合作品」というテーマで書かせていただきます。

ささやくように恋を唄う

新歓のバンド演奏を聴きにいった木野ひまりはボーカルを務める先輩にファンとしての「一目ボレ」をする。 彼女からの好意を伝えられた朝凪依もまた彼女に一人の人としての「一目ボレ」をする。 微妙にすれ違う二人の感情の行方は... ささやくように恋を唄う 著:竹嶋えく 一迅社 百合姫コミックス刊

クールながらもひまりちゃんにベタぼれな依先輩と、そんな先輩の好意にまっすぐ応えようとする子犬系のひまりちゃん。王道の百合って感じでめちゃくちゃ好きです。 個人的には、親友でいることを決めた百合が好物なので、依先輩の親友、水口さん周りのエピソードがエモエモでした。 作画もとてもきれいで総じて安心して読めるので百合初心者の方にも一番おすすめしたい作品です。

〆切前は百合が捗る

家を飛び出し上京した白川愛結は編集をやっている叔母を頼り、小説家の海老ヒカリこと海老原ゆかりのもとに住み込みで身の回りの世話をすることとなる。 性嗜好のことで生きづらさを抱える愛結は〆切破りの常習犯であるゆかりとエスケープを繰り返すうちに徐々に仲を深めていく。 〆切前は百合が捗る 著:平坂読 イラスト:U35 SBクリエイティブ GA文庫

家出少女と不良作家の百合です。 ゆかりさんの〆切直前の現実逃避を最初は咎めながらも毎回丸め込まれる愛結ちゃんがとてもチョロかわです。 料理作り、東京観光、温泉旅行と徐々にエスカレートしていくエスケープを繰り返しながら、少しずつ互いを理解しあい、さらにゆかりさんに惹かれていく愛結ちゃんの描写が説得力があり好きでした。 達観している女の子の殻を、考える前に行動する女子がぶち壊していく百合、いいですよね。 作品としてはデリケートな部分をしっかりと描いている感じで、読みやすいながらもしっかりとした読み応えのある作品でした。 一応2巻で完結のとのことでしたがぜひ続きが読みたいです。

わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった⁉)

中学時代不登校気味だった甘織れな子は高校デビューに大成功し憧れの陽キャに!輝かしい高校生活を満喫している...はずだった。 身の丈に合わない陽の気に当てられること二か月、れな子は限界を迎えていた。そんなとき、「スパダリ」の異名を持つ学園のスーパースター、王塚真唯とひょんなことから互いの悩みを共有し秘密の友達に。 友達の真唯と一緒なら頑張れると思っていたれな子だったが、翌日、真唯から告白される。私には学園生活を共に過ごす親友が欲しいのに、恋人なんて不安定な関係、ムリ!こうして、れな子と真唯の関係をかけた戦いが幕を開けたのだった。 わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった⁉) 著:みかみてれん イラスト:竹嶋えく 集英社 ダッシュエックス文庫

ガールズラブコメの旗手、みかみてれん先生の描く学園ガルコメ。個人的に今最も注目している作品です。 自己評価がとてもとても低いれな子が本人の意志とは裏腹に、クラスの美女たちを次々落としていきます。 毎回別の女と風呂に入る女、れな子... 破れかぶれながらも一癖も二癖もある美女たちに正面からぶつかっていく様は必見です。 活字が苦手な方は、コミカライズ版もあるので是非そちらもどうぞ。

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ヴァンピアーズ

「然るべき相手は自分の心が教えてくれるもの。」 14歳の一花はそう教えてくれた祖母の葬式で出会った異国の少女、アリアに心を奪われる。 しかし、彼女は長い時を生きる吸血鬼で、一花の家に伝わるあるものを探しているのだった。 ヴァンピアーズ 著:アキリ 小学館 サンデーGXコミックス刊

吸血鬼と百合ってカレーと福神漬けくらいのベストマッチだと思いませんか?私はそう思います。 儚げで官能的な魅力がありますよね、大好物です。 しかし、この作品に登場する吸血鬼は儚さとは無縁な生き物です。彼女たちは基本的に人間の常識には囚われていないので割と暴力で解決したりします。 そんなハイテンションなパートから一転して差し込まれる蠱惑的な吸血シーン。その落差こそがこの作品の魅力だと思います。 吸血鬼百合、死別系のネタが好きな方にはおすすめです。

かけあうつきひ

駆け出しの漫才コンビ「400倍」の陽と月はボロアパートで一緒に暮らしながら養成所へ通う生活を送っている。 これは、そんな2人が漫才界の頂点を目指す物語...ではなく、2人の日常譚である。 かけあうつきひ 著:福井セイ 小学館 サンデーコミックス刊

週刊少年サンデーで連載中の女の子2人が漫才師を目指す作品です。 日常系のゆるめの百合かなと思っていたら、2巻の冒頭から巨大感情をぶつけられハマりました。 かまってほしい月が常日頃からボケまくり、やれやれといった様子ながらも毎回ツッコんであげる陽。そんな2人の関係性が大変エモいです。 既刊2巻とまだ集めやすいので是非読んでいただきたい作品です。

おわりに

いかがでしたか? 学内の同志の方いましたら是非またお話ししましょう。 ここまでお読みいただきありがとうございました。